「200年住宅」をめぐる動きが本格化している。2月下旬の国会に提出する「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」(仮称)の具体的な内容が見えてきた。耐久・省エネなど一定以上の性能を備える住宅を「長期優良住宅」として認定し、建築確認申請の省略や優遇税制などのインセンティブを設けて普及を促進する考えだ。

福田首相の肝いりで始まった「200年住宅」の普及に向けた施策の大枠が見えてきた。長期使用に耐える構造・設備性能、維持保全に関する計画の作成といった条件を満たす住宅を「長期優良住宅」として認定、取得時の優遇税制や維持保全への支援で普及促進を図るというものだ。
その骨子を定める「長期優良住宅の普及の促進」(仮称)には、自治体による「長期優良住宅建築等計画」(仮称)の認定制度の枠組みや、認定基準の項目を規定。認定住宅の流通を促進する制度も盛り込み、2008年中の施行を目指す。
◆建物の認定要件
認定要件の項目は、構造躯体の耐久性、住宅の耐震性、内装・設備の維持管理の容易性、空間の可変性などを盛り込む方針。
具体的には、JAS規格材など高品質木材の使用、数百年に一度程度発生するような大地震にも容易に機能を再生できる耐震性能を備えることなどが求められそうだ。
十分な省エネ性能の確保といった、躯体を長期利用するうえで考慮しなければならない性能要件も盛り込む。
長期優良住宅の認定要件
★構造躯体の耐久性
・数世代にわたって住宅の構造躯体が使用できる
例)木材など使用する材料の品質が高い劣化に対して、構造躯体の補修や交換により機能の再生が可能
★住宅の耐震性
・大規模な地震の後でも、構造躯体の補修をすることによって使用が継続できる
例)数百年に一度程度発生する地震に対して構造躯体が倒壊せず補修することで機能再生できる
★維持管理の容易性
・特に内装・設備について維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うことができる工夫
例)専用・共用の配管の点検・交換などが容易にできる
★可変性の確保
・居住者のライフスタイルの変化などに応じて間取りの変更やバリアフリー化ができる
・一定以上の住戸面積がある
例)間取りや設備の変更を行ないやすいように階高などの空間の余裕を確保している
★躯体の構造以外の性能
・断熱性能など省エネルギー性
・バリアフリー改修に対応できるよう共用廊下などに必要なスペースを確保している
★計画的な維持管理
・定期点検・補修などに関する計画の策定・点検などの履歴の蓄積
★基本方針に基づいた配慮
◆ソフト面の配慮も
点検や補修の計画を定めた維持保全計画の作成や、工事履歴の蓄積(住宅履歴書)などソフト整備についても認定要件に含める。
詳細な基準は省令や告示で定める方針。基準には住宅性能表示制度など既存の制度・規格を活用することを検討している。
◆確認省略も検討
たとえば「長期優良住宅」の認定申請時に建築確認関連書類を一括受け付けすることで確認申請を省略できる特例など、柔軟な制度運用も検討する。
また、流通の促進を図る為、住宅性能表示制度でこれまで新築でしか認められていなかった、性能評価書による「みなし契約」規定を中古の認定住宅の売買時に適用することなども検討する。
◆インセンティブ
200年住宅は、一般住宅と比べ建設コストが2割高くなるといわれる。この費用が普及を妨げる可能性もあるため住み手・つくり手それぞれにインセンティブを設けた。
消費者向けには、登録免許税・不動産取得税・固定資産税について税率抑制などで税負担額を一般住宅と同程度以下にしたい考え。
「上表」はそのシミュレーションだ。
取得当初10年間の納税額は一般住宅が最大83万円に。
促進税制がない場合の納税額は97万円なので14万円の負担削減になる。
つくり手向けには先導的補助モデル事業で市場を活性化する。
事業の公募は年度開始早々にも始める。
協同・戸建て問わず提案可能で、既存住宅の改修提案や維持管理・流通などシステムの提案も補助対象となる。